この連載は無料公開されている『ONE PIECE公式漫画アプリ』から中学校社会科の歴史、高校世界史や日本史、そして現代世界情勢への興味・関心を引き出していくプロジェクトです。第117話に登場する"Mr.3"から"紅茶"の歴史について関心を広げます。
過去分はこちらです。
漫画『ONE PIECE』ワンピースから始める世界史 カテゴリーの記事一覧 - 歴史人物の子孫を育てるパパ新聞
[次子5歳年次作: Mr. 3]
■紅茶を楽しむMr.3登場
第117話ではリトルガーデンにいるルフィ一行を追うべく、Mr.3とミス・ゴールデンウィークに指令が下ります。
Mr.3「んーー…やはり紅茶はアールグレイに限るガネ…」
GW「ヒマだわ Mr3」
受験勉強してるときにそっくりそのまま茶の歴史でテーマ史問題があったような気がするので、紅茶は一回調べておきましょう。
というわけで今回のテーマは"紅茶"です。
■"紅茶"とは何か?
まずは概要、定義からいきましょう。
Wikipediaにはこうありました。
紅茶(こうちゃ、英:Teaまたはblack tea)とは、摘み取った茶の葉と芽を萎凋(乾燥)させ、もみ込んで完全発酵させ、乾燥させた茶葉。もしくはそれをポットに入れ、沸騰した湯をその上に注いで抽出した飲料のこと。なお、ここでいう発酵とは微生物による発酵ではなく、茶の葉に最初から含まれている酸化酵素による酸化発酵である。
紅茶 - Wikipedia
■紅茶の歴史
Wikipediaではなかなか起源に関する記載が見当たらず調べてみると紅茶で有名なリプトンのサイトで以下説明がありました。
最初はあくまでお茶の歴史ですね。
紀元前2737年頃
中国・神農皇帝(伝説上の神様)により、茶葉の利用が発見されていたという伝説あり。紀元前59年
中国で書かれた『僮約(奴隷との契約文)』に茶の記録が初めて登場。589年
中国・隋王朝の代に貴族階級の間に茶が社会的飲料として普及。760年
中国・唐王朝の代に、茶に関する世界最初の専門書『茶経』が著される。815年
『日本後紀』に日本初の喫茶の記録。1559年
イタリア人、G・ラムージオが中国で喫茶の情報を初めて欧州に紹介。
紅茶の歴史 - 世界の紅茶と文化 | Sir Thomas LIPTON
もはや伝説ですが、お茶の起源としては伝説ですが紀元前2737年頃まで遡るようです。
栄西といえば臨済宗ですね。
話が逸れるのでリンクだけ載せますが、平安時代から鎌倉時代の僧ですね。中学の歴史でも登場する方です。
明菴栄西 - Wikipedia
■ヨーロッパに上陸するお茶
こちらも引き続きリプトンサイトですが、中国茶も日本茶も同じ時期にヨーロッパに渡っているようです。
1609年
オランダ、九州の平戸に商館を開き、翌年、マカオから中国茶、平戸から日本茶を本国へ送る。
1610年
ヨーロッパに初めて「日本茶」が上陸、オランダ東インド会社の船が、長崎・平戸から持ち帰った。
1662年
ポルトガルのブラガンサ家のキャサリンがイギリス国王チャールズ2世と結婚。持参金としてブラジル産の砂糖や中国陶磁器と茶などを持ち込んだことで、イギリスの宮廷に喫茶の風習がはじまった。
1689年
イギリスが中国・広東省のアモイで茶の取引を開始。
リプトン含めて紅茶というとヨーロッパのイメージが強いですが、ヨーロッパで普及するのは17世紀からだったのですね。
■世界史を動かし始めるお茶
1721年
イギリス東インド会社が中国から茶の輸入を独占。
1773年
イギリス議会が茶条例を制定。不公平な条例に反発した市民らがイギリス東インド会社の茶船を急襲し、茶箱を海に投げるなどした(ボストン茶会事件)。
「代表なくして課税なし」ですね。
これからアメリカ独立戦争につながっていくと考えると、お茶が世界史を動かしてますね。
1833年
イギリスが中国茶の独占を廃止し、自由競争に。
1839年
イギリスがアッサムカンパニーを設立し、アッサム地方の開拓が本格的に。
1840年
茶とアヘンの取引を背景に、清王朝とイギリスの間でアヘン戦争勃発。またこの頃、第7代ベッドフォード公爵夫人アンナ・マリアによって、イギリスでアフタヌーンティーの習慣がはじまる。
1842年
アヘン戦争の末、清朝はイギリスに降伏。「南京条約」により、イギリスは香港を得る。
とうとう戦争にまでお茶が関与するようになりました。このアヘン戦争は重要な戦争なので少しハイライトします。
■いよいよ戦争につながる茶の歴史
Wikipediaに戻しますと概要はこちら。
阿片戦争(アヘンせんそう、中: 鴉片戰爭、第一次鴉片戰爭、英: First Opium War)は、清とイギリスの間で1840年から2年間にわたり行われた戦争である。
阿片戦争 - Wikipedia
ワンピースでも後々触れることになる三角貿易が絡んでくるわけです。
アヘン貿易 編集
「三角貿易#イギリス、インド、清国の三角貿易」も参照
当時のイギリスは、茶、陶磁器、絹を大量に清から輸入していた。一方、イギリスから清へ輸出されるものは時計や望遠鏡のような富裕層向けの物品はあったものの、大量に輸出可能な製品が存在しなかったため[12]、イギリスの大幅な輸入超過[13]であった。
イギリスは産業革命による資本蓄積やアメリカ独立戦争の戦費確保のため、銀の国外流出を抑制する政策をとった。
そのためイギリスは植民地のインドで栽培した麻薬であるアヘンを清に密輸出する事で超過分を相殺し、三角貿易を整えることとなった。
■イギリスのビルマ(ミャンマー)侵攻と紅茶
この記事で分かったのですが、イギリス東インド会社って軍隊を持っていたのですね。
いつかじっくり調べてみたいものです。
1823年、イギリスはインド北部のアッサム地方へのビルマ支配に対抗してイギリス東インド会社の軍隊を送って制圧[20](第一次英緬戦争)。
この戦いにイギリス軍の少佐として従軍したロバート・ブルースが後にアッサム種として知られる茶を発見し、中国から茶師を招いて茶の生産を始めた[21]。
というわけで今回のテーマ"紅茶"に関心を広げてみました。
■参考文献①今回のテーマを深掘り
文中にリンクを貼り付けてみました。
・筆者ベストチョイス①
聴き流しで歴史を学べるボカロシリーズ(幼稚園生からパパ&ママまで幅広くオススメ)
■あとがき
子どもの頃はマックでバリューセットを頼むときに毎回リプトンのレモンティーをお願いして、幸福に至っていたのを思い出しました。
しかしながら紅茶の歴史を辿ってみるとなかなか深く世界史に影響を与えていましたね。
最後にMr.3がオススメのアールグレイを紹介して終わりましょう。
ご覧いただきありがとうございました!受験勉強や教養の向上に活用いただければ幸いです。
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