この連載は無料公開されている『ONE PIECE公式漫画アプリ』から中学校社会科の歴史、高校世界史や日本史、そして現代世界情勢への興味・関心を引き出していくプロジェクトです。第127話に登場する"電伝虫"から"電話の歴史"について関心を広げます。
[次子5歳年次作: 電伝虫]
■Mr. 0からの電話
第127話ではルフィたちを追うサンジがMr.3の拠点を見つけます。中に入るとMr. 0を名乗る男からの電話がかかります。
Mr. 0「おれが指令を出してからもうずいぶん日が経つぞ いったいどうなってる Mr.3」
サンジ「Mr.3...‼︎ それが この電伝虫の飼い主か…」
この回のタイトルって、今更ながらなんで電伝虫なんでしょうね。電伝虫はここで初めて出てくるわけでも無かったような気がしますが。しかしこの電伝虫はこの先も何度も登場するワンピースの世界ではなくてはならない存在ですね。
べたべたですが、電伝虫を見て思い出すのはやはり電話、というわけで今回のテーマは"電話"です。
■"電話"とは何か?
まずは概要、定義からいきましょう。
Wikipediaにはこうありました。
電話(でんわ、英: telephone)とは、音声を電気的信号に変え、離れた場所に伝達し、これをふたたび音声に戻すことで、相互に通話できるようにした通信方法[1]。
非常にシンプルでありますが、音声をどうやって電気信号に変えてるのでしょうね。
■電話の歴史にイギリスの大物哲学者が登場
電話の歴史?はいはいベルね、と思いきや色々と大物が登場してきました。
伝声管と糸電話
音声通信には、ひとつには、管を用いて物理的に音声通信を実現する伝声管(voice pipe)があった。(これがいつごろ発明され使われるようになったか、どこまで遡れるか歴史がはっきりしないところがあるが、少なくとも)フランシス・ベーコンが1627年刊行の著書『ニュー・アトランティス』で提案したことが知られている。
電話の歴史 - Wikipedia
ということで、フランシス・ベーコンが登場です。予想外な大物が出てきました。
初代セント・オールバン(ズ)子爵フランシス・ベーコン(英: Francis Bacon, 1st Viscount St Alban(s), PC, QC、1561年1月22日 - 1626年4月9日[1])は、イギリスの哲学者、神学者、法学者、政治家、貴族である。イングランド近世(ルネサンス期、テューダー朝(エリザベス朝)からステュアート朝)の人物。
「知識は力なり」(Ipsa scientia potestas est)の名言や、「イドラ」の概念で有名。
フランシス・ベーコン (哲学者) - Wikipedia
フランシスベーコンの帰納法、デカルトの演繹法、懐かしいです。
「知は力なり」も世界史の授業を受けながら感銘した記憶があります。
■電話の歴史にアメリカの政治家登場
更にWikipediaを読み進めるとまたまた世界史の有名人が登場します。
1782年にはフランスのDom Gautheyが行政などの分野で伝声管を使うことを科学アカデミーで提案した。これはベンジャミン・フランクリンにも支持され、パノプティコンに導入され、その後、軍事利用などにも広がって行った。19世紀、20世紀では広く用いられ、現在でも船舶内での音声通信ではしばしば使われている。
ベンジャミンフランクリン登場ですね。
雷の実験で有名ですね。
ベンジャミン・フランクリン(英語: Benjamin Franklin, グレゴリオ暦1706年1月17日<ユリウス暦1705年1月6日>[注釈 1] - 1790年4月17日)は、アメリカ合衆国の政治家、外交官、著述家、物理学者、気象学者。印刷業で成功を収めた後、政界に進出しアメリカ独立に多大な貢献をした。また、凧を用いた実験で、雷が電気であることを明らかにしたことでも知られている[1]。現在の米100ドル紙幣に肖像が描かれている他、米50セント硬貨にも1963年まで彼の肖像が使われていた。
ベンジャミン・フランクリン - Wikipedia
■糸電話の研究を進めたニュートンのライバル
もう少し遡って糸電話はどうかというと、ニュートンの時代にはまじめに研究されていたようです。
糸電話は、もともとは使うのは糸とは限らずワイヤーを用いたものもあり、(現在では、まるで玩具扱いされているが)かつては大真面目に音声通信の手段として実験・検討されていた時代があり、たとえばロバート・フック(イギリスの自然哲学者・博物学者でアイザック・ニュートンの仲間でライバル)によって1664~1685年に実験が行われ、ワイヤーを用いた方法も行われていた[1]。
19世紀後半には、(電話と並んで)この原理を用いた装置が、大人が使用するまともな製品として販売されていた。
すごいですね、この題名も。
■電信といえばモールス
ツートンツートンですね。
電信
電信は1800年代の初めごろから多くの人々による様々な試みがあり、米国ではサミュエル・モールスが装置の開発を行い彼の助手のアルフレッド・ヴェイルがアルファベットを表すモールス符号の考案に貢献し、この二人の電信技術がその後の電信の発展に大きな役割を果たしてゆくことになった。1838年にはモールスが米国のフランクリン協会でデモンストレーションを行い、1843年にはアメリカ議会がワシントンD.C.とボルチモア間の(実験的)電信線の敷設のために3万ドルの予算を計上し、1844年5月1日までにワシントンD.C.からアナポリスまで開通し、1844年5月24日には全線が開通。実際に通信に活用されるようになり、二人の電信システムはその後20年ですみやかに米国に広まっていった。
■ベルの成果から知る特許の重要性
電話、ベルでしょ?と正に洗脳されていましたが、実はイタリア人のアントニオ・メウッチさんが先に発明していたようです。
19世紀なかばに電信が実用化、急激に普及し、世の中の通信方法に一種の革命が進行してゆく時代に、電話の発明が行われてゆくことになった。
なお英語圏では、ことさら米国のベルの成果だけを強調し、他の国の成果を意図的に無視した時代が長かったが、実際にはイタリア人による発明のほうが先行した。
電話の初期の歴史に関与した人は多いが、その中でも現在よく知られているのは、アントニオ・メウッチ、イライシャ・グレイ、アレクサンダー・グラハム・ベル、トーマス・エジソンである。
発明の先発/後発という点では、イタリアのほうが先であったが、米国のベルの電話機の特許から派生させる形で様々な機器や機能に関する特許が成立してゆき、こちらのほうがその後の電話技術に大きな影響を与えた。
なんだかとてもアントニオ・メウッチさんが可哀想な気がするので、せめてもの敬意を示すべく、彼のリンクを紹介しておきます。
アントニオ・メウッチ(Antonio 'Santi Giuseppe' Meucci, 1808年4月13日 - 1889年10月18日)は、イタリア人の発明家。彼の代表的な発明品は電話である。
アントニオ・メウッチ - Wikipedia
特許って大事ですね。
というわけで今回のテーマ"電話"に関心を広げてみました。
■参考文献①今回のテーマを深掘り
・筆者ベストチョイス①
聴き流しで歴史を学べるボカロシリーズ(幼稚園生からパパ&ママまで幅広くオススメ)
■あとがき
緊急事態宣言が終わりましたね。もうオリンピックも間もなくとなってきました。
今回つくづく思いましたが、歴史は勝者がつくるじゃないですが、歴史は特許を勝ち取ったものがつくるわけですね。
アントニオさんかわいそう。
電伝虫は確か超音波でやりとりする原理でしたっけ?このあたりはSBSとか熟読されてる方が詳しいのでしょうね。
ちなみにワンピース99巻出ましたね。
熱いですねー!
ご覧いただきありがとうございました!受験勉強や教養の向上に活用いただければ幸いです。
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