この連載は無料公開されている『ONE PIECE公式漫画アプリ』から中学校社会科の歴史、高校世界史や日本史、そして現代世界情勢への興味・関心を引き出していくプロジェクトです。第23話〜41話に登場するカヤからオー・ヘンリー作『最後の一葉』について関心を広げます。
[長子作: 屋敷の主人 カヤ]
■病弱なカヤ
カヤの登場シーンではベッドから窓を眺めてウソップの来訪を楽しみにしています。
カヤ「ケチ!」
クロ「ええ ケチで結構!!何と言われましてもダメなものはダメです
体の弱いお嬢様にとってウソップのホラ話は刺激が強すぎます」
カヤ「平気よ 私は」
このシーンで思い浮かぶのはオー・ヘンリーの作品『最後の一葉』であります。
Wikipediaにはこうあります。
「最後の一葉」(さいごのひとは、さいごのいちよう、原題:The Last Leaf)は、オー・ヘンリーの短編小説。「最後の木の葉」とも。日本でも小中学校の教科書にも採用されており、知名度が高い。
最後の一葉 - Wikipedia
筆者の学校の教科書には記載されていませんでしたが、何かどこかでこの話は学生時代に既に知っていました。NHK教育テレビとかでしょうか。
高校時代ユダヤ人の友達がいて、この名作を読んだことがないのか!?と驚かれたのを懐かしく思います。
■嘘で生きる力を取り戻すカヤとジョンジー
カヤはウソップの嘘で生きる力を得ていましたが、この物語の女の子は自然を装った本物ではない絵によって生きる力を取り戻すことになります。
ワシントン・スクエアの西側にある、芸術家が集まる古びたアパートに暮らす画家のジョンジー(ジョアンナ・ジョアナとも)と同じく画家のスー。
貧しいながら暖かい生活を送っていた中、ある日ジョンジーは重い肺炎を患ってしまう。
スーは、医者から「ジョンジーは生きる気力を失っている。このままでは彼女が助かる可能性は十に一つ」と告げられる。
心身ともに疲れ切り、人生に半ば投げやりになっていたジョンジーは、窓の外に見える煉瓦の壁を這う、枯れかけた蔦の葉[1]を数え、「あの葉がすべて落ちたら、自分も死ぬ」とスーに言い出すようになる。
彼女たちの階下に住む老画家のベアマン(ベールマンとも)は、口ではいつか傑作を描いてみせると豪語しつつも久しく絵筆を握らず、酒を飲んでは他人を嘲笑う日々を過ごしていた。ジョンジーが「葉が落ちたら死ぬ」と思い込んでいることを伝え聞いたベアマンは「馬鹿げてる」と罵った。
その夜、一晩中激しい風雨が吹き荒れ、朝には蔦の葉は最後の一枚になっていた。
その次の夜にも激しい風雨が吹きつけるが、しかし翌朝になっても最後の一枚となった葉が壁にとどまっているのを見て、ジョンジーは自分の思いを改め、生きる気力を取り戻す。
最後に残った葉はベアマンが嵐の中、煉瓦の壁に絵筆で精緻に描いたものだった。
ジョンジーは奇跡的に全快を果たすが、冷たい風雨に打たれつつ夜を徹して壁に葉を描いたベアマンは、その2日後に肺炎で亡くなる。
真相を悟ったスーは物語の締めくくりで、あの最後の一葉こそ、ベアマンがいつか描いてみせると言い続けていた傑作であったのだと評する。
■服役期間があった作者オー・ヘンリーの意外な生涯
学生時代は作者の生涯まで関心が及びませんでしたし、なかなか調べようも無かったものですが、今はWikipediaがあるので便利ですね。
オー・ヘンリー(O. Henry、本名:William Sydney Porter、ウィリアム・シドニー・ポーター、1862年9月11日 - 1910年6月5日)は、アメリカの小説家。主に掌編小説、短編小説を得意とし、約280の短編作品を残した。市民の哀歓を描き出した短編が多く英米ではイギリスの小説家サキと並んで短編の名手と呼ばれる。映画化されたものも少なくない。
(省略)
服役前から掌編小説を書き始めていたが、この服役中にも多くの作品を密かに新聞社や雑誌社に送り、3作が服役期間中に出版された。刑務所での待遇は良く、獄中で薬剤師として働いていたため、監房ではなく刑務所病院で寝起きし、夜の外出許可まで出されていた。模範囚として減刑され、1901年7月24日には釈放となった。
釈放された後、娘と義父母が待つピッツバーグで新しい生活を始めた。『ピッツバーグ・ディスパッチ』紙のフリーランスの記者として働く一方で、作家活動を続けたのである。
■参考文献①今回のテーマを深掘り
■あとがき
カヤの執事の名前は羊頭のメリーですが、これはメリーさんという執事、メリーさんの羊、から来てるんですかね。
ご覧いただきありがとうございました!
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