【連載: 漫画『ONE PIECE』ワンピースで学ぶ世界史】第212話 スモーカー大佐から考える"クソ食らえ"の世界史〜古事記、日本書紀、前漢から18世紀前フランスまで〜
この連載は無料公開されている『ONE PIECE公式漫画アプリ』から中学校社会科の歴史、高校世界史や日本史、そして現代世界情勢への興味・関心を引き出していくプロジェクトです。第212話に登場するエピソードから"クソ食らえ"について関心を広げます。
※憤るスモーカー大佐
[次子5歳年次作: 後報 ]
■政府上層部のジジイ共へ
第212話ではたしぎと会話を終えたスモーカーに昇進の連絡が入ります。
スモーカー「おい…君…政府上層部のジジイ共に伝えてくれるかね」
ひな「スモーカー君っ!!!」
スモーカー「クソ食らえってな」
スモーカーかっこいいですよね。本当に海軍の"正義"とは一体なんなのか、考えさせられる極めつけのシーンになります。
スモーカーの反骨精神といいますか、信念を曲げない様子がよく伝わるセリフですが、このセリフ実は歴史があるようです。
というわけで今回のテーマは"クソ食らえ"です。
■日本の"クソ食らえ"は古事記と日本書紀に遡る?
同じくwikipediaを読み進めると"文化面から見た糞"に以下記載があります。
会的行為や嫌がらせ、派閥の離脱などのために利用される例もある。例えば、『古事記』上巻及び『日本書紀』第七段には、建速須佐之男命が姉の天照大神を訪ねた高天原で行った乱行のひとつとして、御殿に糞を撒き散らしたとの記載がある。
『古事記』は現存する『日本最古』の書物で歴史書であるとされるものですね。『日本書紀』は、奈良時代に成立した日本の歴史書で『古事記』と並び伝存する最も古い史書の1つですね。
『源氏物語』の桐壺の巻では、帝の寵愛を一手に受けた桐壺の更衣に対する嫌がらせとして、渡殿(渡り廊下)に糞尿が撒き散らされた。
日本でのクソ食らえ文化は歴史がありますね。
■中国の"クソ食らえ"は項羽と劉邦の時代にも?
あるいは蒯通が韓信のもとを離れる際、発狂したと思わせるために、彼は大便を入れた器を皆に見せて廻ったとの伝説がある。
韓信は、中国秦末から前漢初期にかけての武将ですね。ちょうど始皇帝が活躍したキングダムの終わりの時代ですね。劉邦の元で数々の戦いに勝利し、劉邦の覇権を決定付けた張良・蕭何と共に漢の三傑の一人とされています。
■18世紀以前のパリはクソまみれだったらしい…
せっかくなのでヨーロッパのクソくらえエピソードを調べてみると以下ありました。
18世紀以前のフランス・パリの街は糞尿まみれだったと言われる[17]。
当時のフランスではトイレが普及しておらず、貴族も庶民もおまるで用を足し、その汚物を道端に捨てていた[17]。
建物の上から「Gare à l'eau!(お水に注意!)」と聞こえたら、窓から糞尿が降ってくるという意味であり、通行者は逃げた。
王室も同じことで、ヴェルサイユ宮殿の庭で人々はところ構わず糞を垂れていた。当時の上流夫人のパニエ(釣鐘形のスカート)は、一説には他人の目を余り気にせずに楽に排便できるためであったとされる。
この状況を変えるため、1608年に国王アンリ4世が「家の窓から糞尿を夜であっても投げ捨てない」という法律を制定した[17]。
その後1677年、初代パリ警察警視総監ニコラ・ド・ラ・レニー(フランス語版)が「1ヶ月以内に街中の家の中にトイレを設置すること」という命令をトイレ業者に勧告した[17]。
しかし状況は改善されず、100年後の1777年にルイ16世は「窓からの汚物の投げ捨てを禁止する」という法令を再度制定した[17]。
しかし、これも効果は薄く、パリの街が腐敗臭から逃れたのは、19世紀半ばのナポレオン3世の時代になってからとされる[17]。
道を歩いていたら上から糞尿が落ちてくるのは恐ろしいですね。
以上、今回のテーマは"クソ食らえ"でした。
・筆者のお薦め参考書
聴き流しで歴史を学べるボカロシリーズ(幼稚園生からパパ&ママまで幅広くオススメ)
■参考文献①今回のテーマを深掘り
本文に挿入しました。
・筆者ベストチョイス①
■あとがき
コツコツ巻き返していきます。
また停滞してしまいました…
ご覧いただきありがとうございました!受験勉強や教養の向上に活用いただければ幸いです。
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