この連載は無料公開されている『ONE PIECE公式漫画アプリ』から中学校社会科の歴史、高校世界史や日本史、そして現代世界情勢への興味・関心を引き出していくプロジェクトです。第135話に登場するエピソードから"チェス"について関心を広げます。
[長子7歳年次作: チェスとクロマーリモ]
■帰還したワポルがルフィ一行の船を発見
第135話ではワポル一行が帰還し、ルフィたちの足取りからビッグホーンへ向かい始めます。
チェス「まったく不出来な家来どもだ…我々その船より出ます足跡を検証しましたところ」
クロマーリモ「奴らおそらく"ビッグホーン"へ向かったものと思われます
ここで改めて紹介されるのがクロマーリモとチェスです。
この先どんな技で戦ったかなどいまいち記憶にないキャラですが、チェスと聞くと歴史がありそうなので調べてみました。
クロマーリモは歴史の香りがしませんでしたので割愛ですが、"悪代官"という肩書きはちょっと調べたいかと思いました。でも広がりが無さそうですかね。
というわけで今回のテーマは"チェス"です。
■チェスとは?
まずは概要、定義からいきましょう。
Wikipediaにはこうありました。
チェス(英: chess、ペルシア語: شطرنج / šaṭranj シャトランジ)は、2人で行うボードゲーム、マインドスポーツの一種である。白・黒それぞれ6種類16個の駒を使って、敵のキングを追いつめるゲームである。
チェスプレイヤーの間では、その文化的背景などからボードゲームであると同時に「スポーツ」でも「芸術」でも「科学」でもあるとされ[1]、ゲームに勝つためにはこれらのセンスを総合する能力が必要であると言われている[2]。
■チェスの起源
チェスはてっきりヨーロッパのものだと思っていましたが、実はインドだったようです。
チェスの起源は紀元前、古代インドのチャトランガだと言われている[4]。
というわけでチャトランガを調べてみるとアレクサンダー大王まで登場しました。
チャトランガ(サンスクリット語: चतुरङ्ग、chaturaṅga)は、古代インドのボードゲームの一種である。将棋やチェスの起源と考えられている。
チャトランガとはサンスクリット語でchaturは4、そしてaṅgaは部分という意味である。したがって、catur-aṅgaは現在では臣・象・馬・車の4つの戦力のことを指し示しているいう説が有力である。アラブ世界のシャトランジの源流でもある。
二人制のものと四人制のものとが存在した。近年の発掘などの成果により、二人制チャトランガの成立の方が先だったとする説が有力となっている。
■ヨーロッパへの道のり
言及した最古の書物は、サーサーン朝ペルシアのホスロー2世(在位:590年-628年)によるパフラヴィー語の書物「カルナマック・イ・アルダシール・イ・パバガン(英語版)」(ペルシア語: کارنامه اردشیر بابکان)で、シャトランジの発明はアルダシール1世の業績とされている。
7世紀から9世紀に書かれたパフラヴィー語の書物「シャトランジ解き明かしの書(ペルシア語版)」(チャトラング・ナーマグ、Chatrang-namak)では、インド王からホスロー1世(在位:531年-579年)へチャトランガが送られて、その使用方法を大臣ブズルグミフル・イ・ボーフタガーン(英語版)(ペルシア語: بُزُرْگْمِهْر بُخْتَگان、転写: Bozorgmehr-e Bokhtagan)が謎解きする。
ペルシアのチェス(シャトランジ)の名人として、アス=スリ(英語版)(880年-946年)の名が伝えられている。
2人制のゲームは、ペルシアに伝えられてシャトランジ(shatranj)と名を変え、さらに戦争や貿易にともなってヨーロッパに伝わっていった。まず、8世紀にはロシアに伝えられ、約100年遅れて西ヨーロッパへ伝わった。
ペルシャなので今のイラン、そしてロシアを通じて西ヨーロッパにたどり着いたようです。
■チェスの語源はシャー⁉︎
これもトリビアですね。
中世ペルシア語で王に相当する称号「シャー(shah)」が、チェスを表す西欧語、例えばドイツ語の「シャッハ(Schach)」、英語の「チェス(chess)」、フランス語の「エシェク(échecs)」などの語源になったと考えられている。また、「シャーマート」(ペルシア語: شاه مات - Shāh Māt)が「チェックメイト」(英語: checkmate)の語源になったと考えられている。
■アジアへの道のり
こうなると気になるのはアジア、日本への道のりですね。将棋もチェスみたいなものですからね。
このほかに、中国のシャンチー(象棋)、日本の将棋もチャトランガに起源を持つという説がある。
中国へは6世紀頃、日本へは8世紀頃に伝わったと見られるが、日本への伝来には中国経由説と東南アジア経由の説もある。
8世紀とあるので710年平城京とか、794年平安京の時代には将棋の原型が日本にたどり着いていたのかもしれませんね。
■聖書に次いで印刷されたチェスの本⁉︎
ホンマかないなと思いつつもこんな記述もありました。チェス、恐るべしですね。
『チェスのゲーム』の写本は活版印刷登場以前では聖書に次いで人気のある書物とも言われるほどのベストセラーとなり[1]、ヨーロッパの15か国の言語に翻訳され、多くの増補や改稿がなされた。
15世紀に活版印刷が発明された後、史上2番目に印刷された英語の本となっている。
というわけで、チェスの歴史でした。
■参考文献①今回のテーマを深掘り
本文に挿入しました。
・筆者ベストチョイス①
聴き流しで歴史を学べるボカロシリーズ(幼稚園生からパパ&ママまで幅広くオススメ)
■あとがき
なんとか週一継続中です。
コツコツやっていきます。
広がらないかなぁと思いきや、意外とダイナミックな歴史があるチェスでしたね。
あとは長子の写実性が高まっていて驚きました。クロマーリモがセンゴクさんに見えなくもないですが。笑
ご覧いただきありがとうございました!受験勉強や教養の向上に活用いただければ幸いです。
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