歴史人物の子孫を育てる雑草パパ新聞

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【連載: 漫画『ONE PIECE』ワンピースで学ぶ世界史】第69〜95話 サンジの行動規範から考える騎士道の歴史

この連載は無料公開されている『ONE PIECE公式漫画アプリ』から中学校社会科の歴史、高校世界史や日本史、そして現代世界情勢への興味・関心を引き出していくプロジェクトです。第69〜95話に登場するサンジから騎士道について関心を広げます。

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[次子4歳作: 海中で劣勢を強いられるサンジ]

■罵られるサンジの騎士道

第86話ではルフィを救いに海中に潜ったサンジが魚人に追い詰められます。

「まったく呆れた打たれ強さだ…人間とは思えん だが見ろ これが貴様の"騎士道"の果てだ‼︎! 貴様はおれから逃げようとして逃げられず死に…ゲームは終わる」

さて、ここで"騎士道"という言葉が出てくるのですが、一体どういうものなのでしょうか。レディファーストのイメージはありますが、どのように定義されていて、どのような起源なのでしょう。世界史的には中世のイメージがありますね。
というわけで今回のテーマは"騎士道"です。

■"騎士道"とは何か?

まずは概要、定義からいきましょう。
Wikipediaにはこうあります。

騎士道とは主に中世ヨーロッパの騎士階級に浸透していた情緒、風習、法や習慣を総称する単語[1]であり、騎士たる者が従うべき規範である。

騎士道はキリストの戦士の行動規範として中世盛期に生まれ、その後徐々に民の模範としての規範に姿を変えながら、近世まで西欧国家のほぼ全てに存在した[2]。

騎士道は近代以降も英国紳士の行動規範や、西欧の社交術などに大きな影響を与えた。騎士道に由来するマナーの例としてレディーファーストが挙げられる[3]。


騎士道の教えの核心とされたのは、中世盛期においては「神への献身・異教徒との戦い・弱者の守護」であり、近世においては「主君への忠誠・名誉と礼節・貴婦人への愛」であった[2]。

騎士道 - Wikipedia

中世た近世で教えの革新が変化してたんですね。サンジの騎士道はどちらかというと近世の教えに近そうですね。

■ "騎士道"の起源

次に騎士道の起源ついて見ていきましょう。とにかく概要をつかんでおきます。

騎士道のルーツはアジアの遊牧民サルマタイにあり、その武具(甲冑)・戦闘方法(騎兵)・規範意識(正義)がサルマタイ諸部族のうちのアラン人(フン族と合同して西ヨーロッパに侵入した後広くゲルマン諸部族に同化した複数のサルマタイ人部族の総称)によってヨーロッパにもたらされた[4]。ゲルマン民族の教えは戦場での武勲こそが第一とする、戦士としての規範であった[2]。

欧州起源と思いきや意外にもアジア民族に騎士道の起源があるのですね。


サルマタイって誰?と思い調べてみると以下説明がありました。ご参考まで。

サルマタイの名が初めて登場するのは紀元前4世紀のギリシアの著作である。

それ以前はヘロドトスなどに記されたように、サウロマタイという名前のよく似た民族が登場していた。

サウロマタイはサルマタイの直接の祖先とされ、考古学的にはドン川から西カザフスタンにいたるまでの地域における紀元前7世紀から紀元前4世紀の文化をサウロマタイ文化とし、それに続く文化をサルマタイ文化(紀元前4世紀 - 紀元前2世紀)としている。
サルマタイ - Wikipedia

ヘロドトスって「歴史の父」と言われますけど、本当に色々なことを調べていたんですね。

■中世の騎士道

騎士道には中世と近世で教えが変化しているということで、それぞれもう少し詳しく見てみましょう。
概要はこちら。

騎士道の黄金時代[2]とも言われる中世盛期(11〜13世紀頃)における騎士道は宗教的な色合いが強く、神への献身を誓う戦士の規範であった。中世盛期騎士道の主な教えは以下の通りである。

PROWESS:優れた戦闘能力
COURAGE:勇気、武勇
DEFENSE:教会、弱者の守護
HONESTY:正直さ、高潔さ
LOYALTY:誠実、忠誠心
CHARITY:寛大さ、気前よさ、博愛精神
FAITH:信念、信仰
COURTESY:礼節正しさ
他に清貧、統率力なども主要な教えとして挙げられる[6]。

■近世の騎士道

次に近世の騎士道です。

近世以降キリスト教国同士の戦争が相次ぎ、その過程で国家主義の概念が形成されると、騎士道も天上の神でなく、地上の主君への忠誠を命ずる規律へと変容を遂げた。

さらに中世後期以降、アーサー王伝説を始めとした情緒的な騎士道文学が流布したことにより、騎士道に宮廷的価値観と、貴婦人に対する献身的愛情というロマンス要素が吹き込まれた[2]。

こうして「神への献身、異教徒との戦い、弱者の守護」を核心とした中世盛期の戦士の規律は、数百年後の近世には「主君への忠誠、名誉と礼節、貴婦人への愛」を骨子とした宮廷人の価値観へとその姿を変えた。

サンジの騎士道は近世よりで、"貴婦人への愛"が特徴的ですが、そのベースには"騎士道文学"があるようですね。

■騎士道文学とは?

というわけで最後に調べてみると、11世紀のフランスから始まったようです。

騎士道物語(きしどうものがたり、フランス語:Roman courtois or Roman de chevalerie, 英語:Romance or chivalric romance, スペイン語:Libros de caballerías or Romance)とは中世ヨーロッパに発展した文学のジャンルで騎士道をテーマとする韻文および散文の物語。宮廷文学、ロマンス、騎士道ロマンス、騎士文学、騎士道小説ともいわれる。騎士の武勲や恋愛を取上げている。

11世紀頃からフランスを中心に発達し、吟遊詩人により歌われた武勲詩が発展したものである。初期は韻文作品のみだが、後期には散文作品も作られた。

それまでのラテン語ではなくフランス語、スペイン語などのロマンス諸語で書かれたという点も重要である。つまり重々しさのない言葉で語られた。

後に恋愛小説を意味することになる「ロマンス」のはしりとなる。

本来は騎士の武者修業(Knight-errant)について書かれた物語であるが、典型的なストーリーは、騎士が見知らぬ土地を冒険し、美しい貴婦人の為に住民達を苦しめる強大な敵(しばしばドラゴンや巨人といった想像上の怪物を含む)を倒し王に認められるというもので、ヒロイック・ファンタジーや恋愛小説の原型といえる。

騎士道物語は16世紀までに最盛となりその後下火となる。

17世紀、セルバンテスによる、騎士道物語をパロディにした大作『ドン・キホーテ』が、画期となりスペイン文学の古典となった。

なお作中ドン・キホーテが愛読する作品は『ティラン・ロ・ブラン』である。

騎士道物語 - Wikipedia

というわけで今回のテーマ"騎士道"に関心を広げてみました。

■参考文献①今回のテーマを深掘り

■参考文献②筆者の基本セット

・『ONE PIECE公式漫画アプリ』
ONE PIECE公式漫画アプリ

・教科書、用語集、人物辞典他

・筆者ベストチョイス①

聴き流しで歴史を学べるボカロシリーズ(幼稚園生からパパ&ママまで幅広くオススメ)

・筆者ベストチョイス②

カードゲームで覚える年号『タイムライン』シリーズと同じくカードゲームで覚える偉人『ソクラテスラ』

■あとがき

やっと生活リズムが戻ってきました。
そんな頃にはもう師走ですね。

今月は鬼滅の刃の映画「無限列車編」を鑑賞しました。
もともとアニメは見ていたのですが、アニメが無限列車に乗り込んだところで終わるので、映画が見たくなるわけです。
映画を見るとまさかの結末で煉獄さんの意志を継いだその先を知りたくなるわけです。
そして結局コミックを読むことになり、最後まで読むと感動して作者への敬意と家族に紹介したい思いで電子書籍で全巻買ってしまうという流れでした。
読破しましたが、とても面白かったです。生き様、家族や兄弟の絆、想いを繋ぐことを学びますね。
自己犠牲が強すぎて今後戦時下に悪用されないと良いですが、そんな時代はもう来ないですかね。大正という時代背景においては登場人物たちの行動規範は当時存在していたものなのでしょうかね。武士道もあるのですが、必ずしも武士道でもない価値観があるような気もします。


ご覧いただきありがとうございました!受験勉強や教養の向上に活用いただければ幸いです。
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