この連載は無料公開されている『ONE PIECE公式漫画アプリ』から中学校社会科の歴史、高校世界史や日本史、そして現代世界情勢への興味・関心を引き出していくプロジェクトです。第211話に登場するエピソードから"偽旗作戦"について関心を広げます。
※アラバスタ王国内戦終結
[次子5歳年次作: 後報 ]
■雨が降り全てが明らかになるアラバスタ王国
第211話では雨が狂気を鎮め、真実が広がっていきます。
コーザ「……そうだ この戦いは…初めから仕組まれていたんだ」
これでもかこれでもかというほどクロコダイルの策が発動しましたが、全てを乗り越え、漸く人々に真実が広がっていきます。
国王軍にしても反乱軍にしても大衆というのは情報に扇動されてしまうと真実が見えなくなってしまいます。クロコダイルが仕組んだ策も実に巧妙であり、悪魔の実の能力を用いたマネマネの能力はもはや誰も見破れませんね。
前回ナノハナ事件でトンキン湾号事件を取り上げた際に"偽旗作戦"という言葉があることが分かりましたが、深掘りできていませんでした。
というわけで今回のテーマは"偽旗作戦"です。
■偽旗作戦とは?
まずは概要、定義からいきましょう。
Wikipediaでは以下見つかりました。
偽旗 (にせはた、英語: false flag)、または、偽旗作戦(にせはたさくせん、英語: false flag operation)とは、攻撃手を偽る軍事作戦の一種。
海賊が「降伏」の旗を掲げて敵を油断させて逆に相手の船を乗っ取るという行為に由来する[1]。
戦術レベルでは古くから海賊旗を伏せ置いたり、偽の白旗や、自国以外の偽の国旗を掲げ、接近して騙し討ちする戦法は知られており、戦争や対反乱作戦に限定されたものではなく平時にも使用され、偽旗工作や偽旗軍事行動とも呼ばれる。
改めて読んでみると、初期に取り上げたドン・クリークは正に偽旗作戦でしたね。
概要説明には以下ありました。
偽旗作戦の例として、自国の軍民が他国やテロリスト等からの武力攻撃を受けたかのように偽装して被害者であると主張したり、あるいは緊張状態にある両勢力間で漁夫の利を狙い、いずれかの側から攻撃が行われたように思わせて戦争を誘発させるといった行為である。
以下に列挙される過去の例より、政府がある政策の実現を目的として、世論操作を企図した場合に実施されるケースが多い[2][3][4][5]。
英語ではfalse flag technique(偽旗技法)、false flag tactics(偽旗戦術)、false flag attack(s)(偽旗攻撃)などの句として用いられる。
"自国の軍民が他国やテロリスト等からの武力攻撃を受けたかのように偽装して被害者であると主張したり、あるいは緊張状態にある両勢力間で漁夫の利を狙い、いずれかの側から攻撃が行われたように思わせて戦争を誘発させるといった行為"は正にクロコダイルが仕掛けた罠ですね。
■偽旗作戦の歴史
世界史においてどのような事例があるのか読み進めて見ましたが、どうやら近現代の事例しか取り上げられていないようです。
偽旗作戦そのものが目的のものと、別の目的(敵の警戒線突破など)の手段として偽旗作戦を行うものの二種類に分かれる。
1928年 - 張作霖爆殺事件
1931年 - 柳条湖事件 満州事変のきっかけ
1939年8月 - グライヴィッツ事件 ドイツ軍によるポーランド侵攻のきっかけ
1939年11月26日 - マイニラ砲撃事件 冬戦争の戦争目標正当化のために計画されたソ連が起こした事件
1942年3月 - サン=ナゼール強襲 イギリス軍が行った、ドイツ艦艇に偽装した爆装駆逐艦によるドック破壊作戦
1943年 - キスカ島撤退作戦 日本軍が行った、アメリカ艦艇に偽装した艦艇部隊による撤退作戦
1944年12月 - グライフ作戦 バルジの戦いでドイツ軍が実行
1962年 - ノースウッズ作戦 キューバのカストロ政権を転覆させるため米国が秘密裏に計画した偽装工作(計画のみ)
1964年8月 - トンキン湾事件
グラディオ作戦
1969年12月 - フォンターナ広場爆破事件
1980年8月 - ボローニャ駅爆破事件
■ロシア軍のウクライナ侵攻も偽旗作戦?
Wikipedia日本語版では事例の中でウクライナのケースも記載されていました。
2014年 - 2014年ウクライナ騒乱で、当時のウクライナ大統領のヤヌコーヴィチの治安部隊と民主化勢力の衝突において、デモに参加していた武装した過激派が仲間であるはずのデモ隊に発砲した。
メディアはヤヌコーヴィチの治安部隊がデモ隊を虐殺したと報じ、偽旗作戦によりヤヌコーヴィチ大統領は追放された。[6]。
2022年 - 2022年3月11日、ウクライナ軍はロシアのウクライナ侵攻において、 ロシア軍がベラルーシの対ウクライナ国境付近の村にウクライナ軍の仕業に見せかけるべく、ウクライナ領空からロシア軍機による空爆を行ったと主張した[7]。
また、ロシアはロシアによる要請で安全保障理事会の緊急会合を開き、ウクライナがアメリカの支援を受けて鳥やコウモリを介して人にコレラや炭そ菌を感染させる生物化学兵器の研究を進めている事実を発見したと主張し、アメリカ国連大使は、そのような事実はなくロシアがウクライナで生物兵器を使用するための偽旗作戦の懸念があると反発した。[8]
ロシアはロシア系住民を救うため、との主張だったかと記憶していますが、情報戦が双方くり広げられていますね。一般大衆にはなかなか真実は分からないものです。
■欺瞞作戦
三国志の赤壁の戦いで一場面として偽旗作戦らしきものがあったような気がしますし、トロイの木馬も偽旗作戦?などと思いながら調べていたらこんな言葉もあることが分かりました。
軍事における欺瞞作戦(ぎまんさくせん、英語: Military deception)とは、敵軍に誤った認識を与えることを目的として行われる作戦。情報戦の一部。
欺瞞作戦 - Wikipedia
なるほど。こちらもまた改めて調べてみるとしましょう。
以上、今回のテーマは"偽旗作戦"でした。
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聴き流しで歴史を学べるボカロシリーズ(幼稚園生からパパ&ママまで幅広くオススメ)
■参考文献①今回のテーマを深掘り
本文に挿入しました。
・筆者ベストチョイス①
■あとがき
コツコツ巻き返していきます。
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シャンクスかっこよかったですねー!!
ご覧いただきありがとうございました!受験勉強や教養の向上に活用いただければ幸いです。
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