【連載: 漫画『ONE PIECE』ワンピースで学ぶ世界史】第98話 "道化のバギー"再登場!バギーはクラウン?ピエロ?幇間?シェークスピアも取り上げた道化にまつわる世界史〜古代エジプトから現代トンガまで〜
この連載は無料公開されている『ONE PIECE公式漫画アプリ』から中学校社会科の歴史、高校世界史や日本史、そして現代世界情勢への興味・関心を引き出していくプロジェクトです。第98話に登場する"道化のバギー"から"道化"について関心を広げます。
[長子6歳年次作: 派手に再登場するバギー]
■大冒険を経たバギーの再登場
第98話ではローグタウンの処刑台から海賊王の眺めを見ていたルフィが急遽捕まり、首謀者としてアルビダ、道化のバギーが再登場します。
バギー「笑いあり‼︎ 地獄あり‼︎ 友情ありの小さなバギーの大冒険‼︎! だけどもバギーはがんばって… 何言わすんじゃコラァ‼︎!」
ルフィ「なんだバギーか………」
少し前のシャンクスに続いてバギーも再登場ですね。アルビダも再登場なのですが、過去回で触れているのでリンクを載せておきましょう。
【連載: 漫画『ONE PIECE』ワンピースで学ぶ世界史】第2話 「アルビダ」は本当にいた!?スカンディナビア王女アルビダ - 歴史人物の子孫を育てるパパ新聞
さて、このバギーですが、"道化"って呼ばれてますよね。見た目ピエロっぽいので、道化と、ピエロって同じ意味かなぁと思ったりもします。でも英語でピエロみたいな様相の者をクラウンって読んだりもしますよね。違いは何だろう、いつから道化っているんだろう?と疑問に思いまして、少し調べてみました。
というわけで今回のテーマは"道化"です。
■"道化"とは何か?
まずは概要、定義からいきましょう。
Wikipediaにはこうありました。
道化師(どうけし、中国語:小丑)または道化(どうけ)は、滑稽な格好や言動などをして他人を楽しませる者の総称。大道芸やサーカスのクラウン (clown)かピエロ (から派生フランス語: pierrot)、中世ヨーロッパの宮廷道化師 (jester)、歌舞伎の道化方、幇間など、世界各地にさまざまな形がある。
■ピエロとクラウンの違い、ピエロのはじまり
Wikipediaを読み進めると数についても言及がありました。
「クラウン」は派手な衣装と化粧をし、サーカスなどに登場するコメディアンである。
日本では「ピエロ」と呼ばれることも多いが、ピエロはクラウンの一種である。こうしたもののステレオタイプな例は、マクドナルドのイメージキャラクター「ドナルド・マクドナルド」や、バットマンのジョーカーなどにみることができる。
また、フランスなどにおけるピエロの起源は、16世紀イタリア即興喜劇コメディア・デラルテに登場するプルチネッラとする説がある。
というわけでピエロの起源は16世紀だという説があるのですね。但しもっと広い概念のクラウン、道化としてはより古い歴史があるようです。
■道化の世界史
道化はいつから記録が残っているこというと何と古代エジプトからのようです。
道化師の歴史は古代エジプトまで遡ることができる。
西洋においては、古代ギリシャ・古代ローマでは物まねや軽口、大食芸などで座を楽しませることで裕福な家の晩餐に与る道化がいた[1]。
ローマ帝国の裕福な家では、魔除けとして、小人症の者や知的障害者、奇形の者などを奴隷として傍に置く習慣があり、これらを「愚者」としてペット感覚で所有する貴族趣味は、16世紀末まで続いた[1]。
中世のヨーロッパなどでは、王族や貴族などの特権階級が城内に道化としての従者を雇っていたことが確認されており、「宮廷道化師」と呼ばれている。
その数は14世紀より徐々に増加して15-16世紀に最高潮に達し、中世の英国においては、宗教界・俗界問わず大物は道化を所有しており、居酒屋や女郎屋でも所有した[1]。
宮廷道化師達の肖像は犬と一緒に描かれることが多く、彼らが犬と同様に王の持ち物とされていたことを裏付けている。シェイクスピアの戯曲などにもしばしば登場し、重要な役を担う。日本では明治時代に初めて曲芸を行った。
■宮廷道化師
どうやら王政で居場所を見つけた道化が多いようです。
古代エジプトにはファラオを楽しませるために道化師がいた。また、14世紀から16世紀のアステカで道化師は人気があった[11]。
ポーランドの有名な宮廷道化師スタンチクは政治に関した冗談を話し、後にポーランド人の歴史的な人物となった[12][13]。
ドイツでは中世から民間伝承に伝わるティル・オイレンシュピーゲルがいる。彼は宮廷道化師のように権力や権威をからかい政治を風刺した。
17世紀のスペインでは小人や奇形を持つもの、特にそういった子供たちは道化師として王家に召抱えられていた。ベラスケスはラス・メニーナスに2人の小人を描いている。
日本はどうかというと、「ほうかん」や「たいこ」と呼ばれる道化が存在したようです。
日本では13世紀から18世紀にかけて、大名に仕える幇間(別名を太鼓持ち、男芸者など)という存在があった。彼らは主に踊りや話術を得意とし相談役や世間話の相手となった。
トンガは近代に入って宮廷道化師を任命した初めての国家である。国王タウファアハウ・トゥポウ4世は1999年にジェシー・ボグダノフを宮廷道化師に任命した[14]。ボグダノフは後に投資に関してのスキャンダルを引き起こした[15]。
アフリカ地域のトンガで1999年まで宮廷道化師がいたとは驚きですね。
というわけで今回のテーマ"道化"に関心を広げてみました。
■参考文献①今回のテーマを深掘り
・筆者ベストチョイス①
聴き流しで歴史を学べるボカロシリーズ(幼稚園生からパパ&ママまで幅広くオススメ)
■あとがき
予想外に道化も歴史がありましたね。
宮廷道化師という存在を初めて知りました。事実とはいえ、人類の冷酷な側面が見える歴史でした。
【次子4歳年次作:派手に登場するバギー】
ご覧いただきありがとうございました!受験勉強や教養の向上に活用いただければ幸いです。
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