この連載は無料公開されている『ONE PIECE公式漫画アプリ』から中学校社会科の歴史、高校世界史や日本史への興味・関心を引き出していく企画です。今回は第2話に登場するアルビダから北欧アルビダ王女と5世紀のヨーロッパについて興味を広げます。
■本当にいたかもしれないスカンディナヴィア王女アルビダ
ワンピース第2話でルフィと初対峙した際の一言
「誰だ これのイカついおばさん」
良いですよね、女性に対しても忖度なしのこの物言い。サンジやゾロが女性に対して攻撃するのを躊躇するのに対して、ルフィはこの後思いっきりアルビダをぶっ飛ばします。先に手を出したのをアルビダなので、やられたものをやり返しただけではありますが。
どうやらこのアルビダと同じ名前の海賊がいたようです。Wikipediaにはこうあります。
アルビダ(Alwida)またはアビルダ(Awilda)あるいはアルビルダ(Alwilda)は、恐らく歴史上、最も古い時期に属す著名な女海賊。バルト海を舞台に活動した。一部の歴史研究者はその実在を疑問視するが、スカンディナヴィアの人々の間では、アルビダの海賊物語は事実と信じられている。
アルビダ - Wikipedia
尾田先生はさぞかし色々と調べられて登場人物を設定されているのだと思いますが、キャラクターの名前を調べてみてドンピシャでモデル人物が出てくると驚きますよね。
歴史上もっとも古い時期に属する女海賊との説明がありますが、ワンピースのアルビダもある意味ワンピース第1巻第2話の登場ということで、ストーリー上もっと古い時期に登場する女海賊ですね。ワンピース世界の年表上はビッグマムことシャーロット・リンリンなんかが年期の入った女海賊でしょうか。
■5世紀の北欧を生きたアルビダ王女
Wikipediaの説明はこう続きます、
アルビダは5世紀頃のスカンディナヴィア王女で[1]、王は姫をデンマークのアルフ皇太子(crown prince Alf)と結婚させようとしていた[2]。しかし、アルビダは父の申し出を頑なに拒んで、複数の女友達と共に水夫のような服を着て船を仕立てると、バルト海へと逃げ出した。
アルビダが生きた5世紀のヨーロッパはどんな様子だったのでしょうか。中学歴史や高校世界史では以下キーワードを学びます。
・インド=ヨーロッパ語族
・ゲルマン人
・スラヴ人
・ゲルマン民族大移動
・ケルト民族
・民会
・フン人
・東ゴート族
・西ゴート族
・ブルグント族
・フランク族
・アングロ=サクソン族
・ヴァンダル族
・アッティラ
・西ローマ帝国
・オドアケル
・テオドリック
・スラヴ民族
■アルビダ王女が海賊をしていた頃の日本
つまり5世紀の日本はどのような様子だったのでしょうか?
Wikipediaにはこうあります。
日本では倭国の古墳時代中期にあたる。各地で巨大な前方後円墳が築造され、地方とヤマト王権中枢双方のの首長たちの祭祀儀礼が執り行われる。この世紀の倭国は朝鮮半島諸国間の紛争に活発に武力介入を行っていたことが、日本側と朝鮮半島側双方の歴史記録から伺われる。当時の5代に及ぶ治天下大王が東晋から南朝にかけての江南の王朝に盛んに朝貢して王号と官職を得ていたことが中国正史の記述に残されており、倭の五王として知られている。
5世紀 - Wikipedia
授業で習う前方後円墳の時代でした。日本で古墳を築いている頃に北欧ではアルビダ王女が海賊をやっていたというのは意外な感じですね。
倭国が朝鮮半島諸国の紛争に介入していたというのであれば当然本島や九州から船を出していたわけですから、歴史上女性リーダー卑弥呼も登場していた日本ですから、もしかしたら女海賊もいたかもしれませんね。
■参考文献①今回のテーマを深掘り
■参考文献②筆者の基本セット
・『ONE PIECE公式漫画アプリ』
・教科書、用語集、人物辞典他
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