歴史人物の子孫を育てる雑草パパ新聞

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【連載: 漫画『ONE PIECE』ワンピースで学ぶ世界史】第103話 賛成ですか?反対ですか?"クジラ"から考える"捕鯨の歴史"〜先史時代ノルウェー、青銅時代の朝鮮、縄文時代の日本、中世バスク人、日米和親条約から現代の論争まで〜

この連載は無料公開されている『ONE PIECE公式漫画アプリ』から中学校社会科の歴史、高校世界史や日本史、そして現代世界情勢への興味・関心を引き出していくプロジェクトです。第103話に登場する"クジラ"から"捕鯨"について関心を広げます。

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[次子4歳年次作: ラブーン]

■クジラに飲み込まれるルフィ一行

第103話では巨大なクジラに飲み込まれたルフィ一行が胃袋の中に生活空間があることに驚きつつ、早期脱出を議論します。

ウソップ「体の中からこのクジラを殺す気なんだ 悪どい殺し方しやがるぜ…‼︎」
ゾロ「謎が解けたらさっさとここを出るぞ ボヤボヤしてると俺たちの方が溶けちまう」
サンジ「まァ捕鯨をとやかく言う気はねェし クジラを助ける義理もねェ 脱出しよう」

捕鯨を狙っているのが誰だっかは次回明らかになるわけですが、サンジのセリフから捕鯨がとやかく議論されうるテーマだということが読み取れます。

捕鯨にはどんな議論があり、そもそもどんな歴史があるのでしょうか。

というわけで今回のテーマは"捕鯨"です。

■"捕鯨"とは何か?

まずは概要、定義からいきましょう。
Wikipediaにはこうありました。

捕鯨(ほげい)とは、クジラを捕獲することである。いわゆるイルカを対象とするものも含む。

概説 編集

現在、大型捕鯨と小型捕鯨に分類されることがある。また、国際捕鯨委員会 (IWC) はICRW締結国の大型捕鯨を、1 商業捕鯨、2 調査捕鯨、3 原住民生存捕鯨の3つに分類している。 →#分類

紀元前から、捕鯨を行う民族がいたと推察される遺跡が発見されている。日本では縄文時代(紀元前131世紀頃 - 4世紀頃)の遺跡から鯨類の骨が発見されており、韓国の盤亀台岩刻画(朝鮮語版)にも先史時代に鯨漁が行われていたと見られる図がある。ヨーロッパでは11世紀にバスク人による捕鯨が盛んになった。かつては主に鯨肉や鯨油採取目的で行われていた。→#歴史

現在は国際捕鯨委員会IWC)「加盟国」において管理対象の13種類の大型鯨類については日本(既に脱退) ノルウェーアイスランドに加えて、「原住民生存捕鯨枠」によりアメリカ、ロシア、デンマークグリーンランド)の北極圏先住民族が継続している。韓国では混獲により多くの2000頭近くのクジラが漁獲されており事実上の捕鯨国となっている[1]。またこれは「混獲を装った違法捕獲」を非難する声も上がっている[2](後述)。

国際捕鯨委員会「非加盟国」においては、管理対象種の捕鯨はフィリピン、インドネシアが継続しており、カナダは先住民の申請があった時に行っている。
その他、国際捕鯨委員会の「管理対象外」の71種類のいわゆるイルカなどの比較的小型の鯨類については、各国の自主的な水産資源管理に委ねられており、その詳細(捕鯨を行っている国や捕獲数量など)は把握されていない。

世界自然保護基金WWF)によると、IWCのモラトリアム以降、捕鯨によって殺された鯨の数は、1986年 - 2008年で31,984頭とのことである[3][4]。
1986年から2008年まで、殺された鯨の総数も、調査捕鯨にて殺された数も右肩上がりに増加した[3]。

捕鯨 - Wikipedia

大型捕鯨は三種類に分類されるんですね。
歴史は次で見ていきましょう。
"1986年 - 2008年で31,984頭"ということで約1453頭前後が年平均ですね。平均が実際の年度別数値とは全く別だったりもしますが、まあイメージということで。

捕鯨の歴史

さてこの捕鯨の歴史を調べて見ましょう。
説明は先史時代から始まりますね。

先史時代 編集
ノルウェーにおいては紀元前3000年以降と見られるイルカまたは鯨を描いた洞窟壁画が発見されている。

このうち鯨はいずれも小型のハクジラ類であるとみられ、周期的にフィヨルド内へと回遊していた個体を捕獲していたと考えられている。


朝鮮半島の南東部、慶尚南道において鯨を描いた洞窟壁画が存在する。

これらの岩壁画は青銅時代から鉄器時代にかけてのものと見られ、金属器を用いて比較的大型の鯨を捕獲していたとされる。



日本でも縄文時代の遺跡から鯨類の骨が発見されており、一部では大量のイルカの骨が集中的に出土していることなどから、積極的な捕獲がすでに始まっていたと推測されている[要出典]。

弥生時代捕鯨については、長崎県壱岐市の原の辻(はるのつじ)遺跡から出土した弥生時代中期の甕棺に捕鯨図らしき線刻のあるものが発見されており、韓国盤亀台の岩刻画にみられる先史時代捕鯨図との類似性もあることから、日本でも弥生時代捕鯨が行われていた可能性が高いと考えられるようになった[要出典]。

また、オホーツク文化圏でも古くから捕鯨が行われていた。

記録があるだけでこれだけ情報があるので、数千年前から各地域で行われていたようですね。

■中世の捕鯨

イベリア半島北岸のビスケー湾に居住するバスク人による捕鯨は、一般的に11世紀頃にノルマン人から伝習されたのが起源であるとされている。
文献としては11世紀からバスク人が独占的に捕鯨を行っていたことが分かっており、舌が貴族層の嗜好品として、鯨肉は沿岸住民の食用に饗されていた。

13世紀に入ると、バスク人による捕鯨業はさらに発展拡大した。
当初は日本での例と同様に、北方へと回遊する鯨を漁獲していたが、漁場はビスケー湾だけでなく大西洋にもおよび、大西洋北部のニューファンドランド島やラブラドル沖における漁場を開発するなど、1560年代にはその最盛期を迎えた。

鉄に次ぐバスク第二の輸出品として、鯨油を中心とした各部位はヨーロッパ全域へと販売された。
バスク人に対して国王から独占権を与えられる代償として、種々の課税も設けられた。

さらに年代別の分かりやすい説明を引用します。

1650年頃以降に出船数はピークに達し、毎年250 - 300隻の捕鯨船が出漁して1500 - 2000頭のホッキョククジラを捕獲していたと見られる。

1680年代になると、一時的にオランダの優位が確立した。オランダの捕鯨会社はヨーロッパの鯨油市場を独占し、その利益はアジアとの香辛料取引を上回るまでになった。

スピッツベルゲンに設けられた捕鯨基地スミーレンブルクの漁期には、港が鯨で埋め尽くされ、数千人の労働者が昼夜製油作業に従事していた。

18世紀後半に捕鯨を再開したイギリスそしてアメリカの捕鯨船も加わり、20世紀に入ると大西洋におけるセミクジラとホッキョククジラはほぼ姿を消した。

この辺りになるとなんか人類が乱獲してしまった様子が伺えますね。


日米和親条約にも影響した捕鯨

いま正に『青天を衝け』で幕末が描かれていますが、どうやら捕鯨も時代の変化に一枚噛んでいたようです。

どこかで聞いたような記憶もありますが、日米和親条約の動機にもなっていたのですね。

日本周辺にも1820年代に到達し、極めて資源豊富な漁場であるとして多数の捕鯨船が集まった。

操業海域の拡大にあわせて捕鯨船排水量300トン以上に大型化し、大型のカッターでクジラを追い込み、銛で捕獲し、船上に据えた炉と釜で皮などを煮て採油し、採油した油は船内で製作した樽に保存し、薪水を出先で補給しながら(このような事情が日米和親条約締結へのアメリカの最初の動機であった)、母港帰港まで最長4年以上の航海を続けるようになった。わ

捕鯨にまつわる"とやかく"とは何だろう?

サンジはとやかく言わない立場でしたが、何がとやかく言われるのか、争点を引用してみます。

肯定派はこちら、

鯨害獣論 編集
1999年の漁業白書によれば、鯨類の餌消費量は2.8 - 5億トンと日本鯨類研究所が推定した[37][38]。大隅清治は1999年の著書で、増えすぎたミンククジラなどの鯨を間引くことは正に一石二鳥の効果をもたらす、としている[39]。

肯定派続きです。

商業的競合 編集
中田宏(当時横浜市長)によると、牛肉の輸出市場を保護するため、政治的・経済的な観点から捕鯨反対運動が繰り広げられているのではないかという見方がある[52]。また、流し網漁業攻撃にもこうした背景があるのではないか、という向きもあるが、これは、飽くまで疑ってかかるような見方をすればというものであり[53]、根拠がある発言ではない。

肯定派続きです。これが有名ですかね。

食文化の伝統、捕鯨文化 編集
日本においては鯨食はただ単に食料としてではなく、骨や皮まで全て廃棄することなく利用してきた[20]。

平安時代からは公家が滋養強壮の薬として、戦国時代には武士が戦いに勝つための縁起担ぎや贈答の最高級品として珍重した、江戸時代からは組織捕鯨の隆盛と共に庶民にも親しまれ、時節やハレの日に縁起物として広く食されるようになり、多種多様な鯨料理が生まれ現在も伝承されている。

食文化以外では「花おさ」に代表される縁起物としての工芸品でもある鯨細工は、クジラの歯・骨や鬚を原材料としており、その他にも人形浄瑠璃のエンバ板や、歌舞伎の肩持ちやカラクリ人形のゼンマイに使われ、捕鯨禁止による資源の枯渇が、伝統文化を阻害する[要出典]。捕鯨問題に係わりその伝統文化の消失が危惧される[要出典]。

ノルウェーアイスランドなどにも鯨食文化が残っている。

肯定派というか、肯定ロジックですかね。

調査捕鯨 編集
調査捕鯨の仕事は大別すると、鯨体を捕獲する捕獲調査と個体数を数える目視調査がある。鯨の推定頭数の算出や生態調査も目的としている[73]。

それに対して反論よりの主張はこちら。
一つは絶滅危惧。

シロナガスクジラセミクジラは絶滅の危険性が高い。また、クロミンククジラについては増加に度々引き合いに出される76万頭という生息数は下方修正されており、増加の停止が確認されている(後述)。

反論より主張の続き。

海洋資源の過剰搾取 編集
国連食糧農業機関の2008年報告によれば、海洋水産資源の利用は19%が過剰漁獲、8%が枯渇、1%が枯渇から回復しつつあるとされ、52%が満限利用の状態にあり、20%が適度な利用又は低・未利用の状態とされている[57]。FAO水産委員会の「漁獲能力に関する国際行動計画」に即し水産資源を持続的に利用していくためには、各国による水産資源管理の一層の強化が求められている[57]。

自然保護の観点からは、「人間による捕鯨を含む漁業によって海洋生態系が撹乱されている」という海洋資源の過剰搾取問題がある。

反論より主張続きます。"動物福祉"という観点があるようです。

最新の食肉用家畜の屠殺においては、専用の道具(主に屠殺銃)および炭酸ガス麻酔法を用いた安楽死が多いのに対し、鯨は専用施設内での殺処理が行えず、致命傷でなければ死ぬまで時間がかかり、動物福祉の観点[21]から非人道的であるとされる。

乗組員の安全性(「大背美流れ」など)や人道的視点などからの致死時間短縮は比較的古くからの課題であり、鯨を感電死させる電気銛などの研究が戦前からあった。

日本でも1950年代に電気銛の試験が行われ、鯨の即死が確認されたものの、有効射程の短さなど運用上の困難から主力にはならなかった。

反論より主張続きます。
食の安全の観点。

食の安全の観点から、鯨肉が有害物質によって汚染されており、捕獲自体も止めるべきで、沿岸域の鯨肉、特に栄養段階が高次であるハクジラ類の鯨肉については安全性に問題があると言う主張がある[要出典]。

これについてはこんな情報も。

元々食性の生物段階が低いヒゲクジラ類では汚染の程度は低く、南極海産のヒゲクジラについては汚染はほとんどないことも判明している。

南極海のミンククジラにも汚染物質がほとんどないことが南極海鯨類捕獲調査で判明している[20]。

特に南極海クロミンククジラの脂皮や筋肉中に蓄積されたPCBやDDTなど人口有機塩素化合物や水銀はごく微量で、北半球の個体と比べると10分の1以下の値である[20]。

反論より続きます。

鯨の神格化、クジラ知的生物論 編集
岸上伸啓によれば鯨の神格化は、メディアの圧倒的な物量作戦によって生み出された鯨の虚像(メディアホエール)であり、愛や平和,非暴力などの価値が強調され、映像や音声表現にヴァーチャル・リアリティが入っており、こうしたメッセージから捕鯨が倫理的に悪と考えられている[21]。

これは確かに難しさを考えさせられる反論の反論です。

三浦淳は、知能の高低と殺してよいもの、そうでないものを結びつけることに合意される合理的な理由はないうえに、その論法を用いれば知能が低い人間は殺害してもよいという考えに結びつくと指摘している。[100]。このような価値観が反捕鯨の世論の形成の根底にあるといわれる[101][102][疑問点 – ノート]。

以上です。さて、みなさんはどう思われますでしょうか。
さすがのWikipediaでもこんな説明が実は冒頭にあります。

争点 編集

捕鯨を巡る争点を以下、概説する。

一般的に捕鯨と反捕鯨の対立とされる場合も多いが、中立的な立場や、捕鯨自体には賛成するもののその方向性において様々な立場があり、捕鯨と反捕鯨の対立という短絡的な解釈には問題があり[35]、現実の構図はこの一般的理解よりもはるかに複雑であり、問題を単純化、一般化するのは必ずしも容易ではない。

ひとまず色んな視点、立場、論点があることを知っておきましょう。
というわけで今回のテーマ"捕鯨"に関心を広げてみました。

■参考文献①今回のテーマを深掘り

■参考文献②筆者の基本セット

・『ONE PIECE公式漫画アプリ』
ONE PIECE公式漫画アプリ

・教科書、用語集、人物辞典他

・筆者ベストチョイス①

聴き流しで歴史を学べるボカロシリーズ(幼稚園生からパパ&ママまで幅広くオススメ)

・筆者ベストチョイス②

カードゲームで覚える年号『タイムライン』シリーズと同じくカードゲームで覚える偉人『ソクラテスラ』

■あとがき

先日育児コラムで書いた右足首の三角靭帯損傷ですが、ようやく松葉杖卒業しました。サポーターをお医者さまからいただき、リハビリ生活です。

捕鯨問題はやはり複雑でしたね。
なんか政治化してしまっていて、なんとも言えない、正にサンジが言うように"とやかく"言えない感じがしますね。

確かに鯨は知的で、というロジックにどこか納得してたところがありますが、じゃあ知的かそうでないかで殺す殺さないを判断するのかという反論は今回勉強になりました。

鯨は食べても特段美味という感じもしませんので無理して食べんでもとおもってしまいますが、馬刺しは好きなので、本当は馬さんかわいそうですよね。
それを言うと牛さんもニワトリさんもかわいそうですよね。

知らぬが仏で暮らしていて、生きるために他の命をいただいてるので、いただきます、と毎日言うことくらいですかね。
この辺の発想はやはり日本的、仏教的なんでしょうね。

結果"とやかく"書いてしまいました。まあ、あとがきなので。もし学生さんが読まれたら、何か考える機会になれば幸いです。

ご覧いただきありがとうございました!受験勉強や教養の向上に活用いただければ幸いです。
その他関連シリーズもぜひご覧ください。
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