歴史人物の子孫を育てる雑草パパ新聞

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【連載: 漫画『ONE PIECE』ワンピースで学ぶ世界史】第97話 武器屋の名刀から考える業物の歴史〜『懐宝剣尺』、鬼徹と虎徹、虎徹と近藤勇まで〜

この連載は無料公開されている『ONE PIECE公式漫画アプリ』から中学校社会科の歴史、高校世界史や日本史、そして現代世界情勢への興味・関心を引き出していくプロジェクトです。第97話に登場する武器屋の名刀から"業物"について関心を広げます。

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[長子6歳年次作: 和道一文字を見抜くたしぎ]

■業物を教えてくれるたしぎ

前回に続き第97話ではローグタウンでゾロが武器屋を訪れます。偶然再開したタシギはゾロに業物を教えます。

たしぎ「世界中の悪党達の手に渡った"名刀"を集めて回るんです 最上大業物12工 大業物21工 良業物50工…私の命を懸けて」

業物(わざもの)なんて言葉はワンピースを読むまで知らなかったかもしれません。

さて、この業物ですが、どうやら本当にあるらしいのです。そもそも刀っていつからあるのでしょうかね、そして業物っていつから生まれたのか。
というわけで今回のテーマは"業物"です。

■"業物"とは何か?

まずは概要、定義からいきましょう。
調べてみると「刀剣ワールド」なるサイトがあり、業物の説明がありました。

業物(わざもの)とは、「業良き物」を意味する言葉で、切れ味の良い日本刀のことを指します。

日本刀を武器にして戦う武士にとって、日本刀の切れ味の良し悪しは、そのまま己の生死を左右したため、非常に重要な指標として古来注目されてきました。


また、業物か否かは、刀剣鑑定家による見解の他、罪人の死体を利用した「試し斬り」の結果により判断されます。

試し斬りは、安土桃山時代から江戸時代にかけて盛んに行なわれましたが、江戸時代になり太平の世がくると、その残忍さから徐々に忌み避けられるようになりました。
【刀剣ワールド】日本刀の業物|刀剣の基礎知識

確かにWikipediaにもこうあります。

刀剣の業物一覧(とうけんのわざものいちらん)は、江戸幕府公式の試し斬り役兼死刑執行人であった山田浅右衛門5代吉睦が編纂した『懐宝剣尺』などの複数の書物に記載された日本刀の刀工の格付け一覧。

山田は多くの刀で試し斬りを行い、刀工ごとに刀の切れ味(切断能力)を分類して格付けした。最高位から最上大業物(さいじょうおおわざもの)、大業物(おおわざもの)、良業物(よきわざもの)、業物(わざもの)の4等級に分類され、大業物・良業物・業物混合の刀工も含めて多くの刀工が記載された[1][2]。

刀剣の業物一覧 - Wikipedia

というわけで、ワンピースの世界における業物分類は史実に即していたんですね。

■業物の数は?たしぎの本はもしや『懐宝剣尺』?

Wikipediaを読み進めると数についても言及がありました。

『懐宝剣尺』では最上大業物12工、大業物21工、良業物50工、業物80工、大業物・良業物・業物混合65工であったが、再版版と『古今鍛冶備考』を合わせると、最上大業物15工、大業物21工、良業物58工、業物93工、大業物・良業物・業物混合68工の計255工となっている[3][4]。

この数字はワンピースの世界でも同じなので、たしぎが「本でみた」と言っているのはもしかしたら『懐宝剣尺』かもしませんね。

■鬼徹は虎徹

ゾロは妖刀と運試しをして、鬼徹を譲り受けることになります。名刀を調べていくと虎徹という刀鍛冶を目にしました。

最上大業物12工 編集

1805年の再版版に掲載されたソボロ助広(初代 助広)と1830年の『古今鍛冶備考』に掲載された長船兼光と和泉守兼定(二代 兼定、之定)の3工も合わせると計15工となる[3][4]。

長曽祢興里(初代 虎徹)
長曽祢興正(二代 虎徹

清関兼元(初代 孫六
孫六兼元(二代 孫六
仙台国包(初代)
肥前忠吉(初代 肥前忠吉)
陸奥守忠吉(三代 肥前忠吉)
三善長道(初代)
多々良長幸
長船秀光(二代)
三原正家(四代)[注釈 1]
長船元重

調べてみると

長曽祢興里(ながそね おきさと、不明 - 延宝6年(1678年)6月24日[1])は、江戸時代(寛文頃)の刀工[1]。

1797年に出版された『懐宝剣尺』で最上大業物筆頭に選ばれた刀工である[要ページ番号]。剃髪して入道名を虎徹と名乗った[2]。

長曽祢虎徹興里(ながそね こてつ おきさと)、長曽祢興里虎徹(ながそね おきさと こてつ)、あるいは長曽祢興里入道虎徹(ながそね おきさとにゅうどう こてつ)とも称される[3]。

長曽祢興里 - Wikipedia

ちなみに上記を調べていると補足で

近藤勇が所持していた日本刀については「長曽祢虎徹 (近藤勇佩刀)」をご覧ください。

とあり、新撰組近藤勇が使っていた刀も虎徹なのか?と調べてみると以下結果でした。

長曽根虎徹(ながそねこてつ)は、新選組局長である近藤勇が所持していたとされる長曽根虎徹作の日本刀である。創作作品では「今宵の虎徹は血に飢えている」という台詞でも有名であり、近藤の佩刀として一般的に知られた刀である[1]。ただし、諸説あるものの近藤が所持していたのは長曽根虎徹の真作ではなく贋作であったというのが通説である。
長曽祢虎徹 (近藤勇佩刀) - Wikipedia

贋作であれば残念ですが、浪漫ある話ですね。

というわけで今回のテーマ"業物"に関心を広げてみました。

■参考文献①今回のテーマを深掘り

■参考文献②筆者の基本セット

・『ONE PIECE公式漫画アプリ』
ONE PIECE公式漫画アプリ

・教科書、用語集、人物辞典他

・筆者ベストチョイス①

聴き流しで歴史を学べるボカロシリーズ(幼稚園生からパパ&ママまで幅広くオススメ)

・筆者ベストチョイス②

カードゲームで覚える年号『タイムライン』シリーズと同じくカードゲームで覚える偉人『ソクラテスラ』

■あとがき

まさか近藤勇にたどり着くとは思いませんでした。中学生の時に司馬遼太郎の『燃えよ剣』を読んで幕末に没頭したのを思い出しました。

業物はしっかり勉強されてワンピースの世界にもたらされていたのは驚きましたら。尾田先生、すごいですね。
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【次子4歳年次作:たしぎ】

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