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【連載: 漫画『ONE PIECE』ワンピースで学ぶ世界史】第69〜95話 "王下七武海"から考える政府公認の海賊"私掠船"の歴史

この連載は無料公開されている『ONE PIECE公式漫画アプリ』から中学校社会科の歴史、高校世界史や日本史、そして現代世界情勢への興味・関心を引き出していくプロジェクトです。第69〜95話に登場する"王下七武海"から私掠船の歴史について関心を広げます。

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[長子作: ヨサクが語る王下七武海]

■ヨサクが語る"王下七武海"

第69話ではサンジを仲間にしたルフィ一行がナミを連れ戻すためにアーロンパークへ向かいます。

ヨサク「そもそも"偉大なる航路"が海賊の墓場と呼ばれるのは君臨する三大勢力のせいだと思いやすが その内の一つの勢力が王下"七武海"」
サンジ「七ブカイ?」
ヨサク「簡単に言えば世界政府公認の七人の海賊達」
サンジ「何だそりゃ なんで海賊が政府に認められてるんだよ」
ヨサク「"七武海"は未開の地や海賊を略奪のカモとし その収穫の何割かを政府に収めることで海賊行為を許された海賊達なんでやす」

ワンピースの世界観がまたここでグッと広がりますね。ミホークみたいな強者があと7人いるのかぁ!と。


そのミホーク含む王下七武海ですが、歴史的にも政府公認の海賊たちがおりました。今回のテーマ、私掠船です。

■私掠船(しりゃくせん)って何?

まずは概要、定義からいきましょう。
Wikipediaにはこうあります。

私掠船(しりゃくせん、英: Privateer, 仏: Corsaire)とは、戦争状態にある一国の政府から、その敵国の船を攻撃しその船や積み荷、荷物を奪う許可(私掠免許)を得た個人の船であり、海賊船の一種とも言える。

私掠船 - Wikipedia

概要説明では以下記載もありました。

古くより海軍の任務の一つに、自国の通商路(シーレーン)の維持と、敵国の通商路の妨害・破壊がある[1]。

大航海時代以後、航路が世界規模になるにつれてカバーしなければならない海域が広大となり、海軍の能力が及ばない事態が生じてきた。

各国は解決策として、民間船に私掠免許を発行した。


私掠船は海軍力の不十分な後進国が優勢な海軍力を持つ国家への通商破壊を目的とする場合と、海軍力が低下した国家が通商路の維持を目的として募る場合がある[1]。

前者のケースが英西戦争時のイギリスであり、後者のケースとして18世紀のフランス私掠船の活躍が挙げられる。

私掠船は複数の船からなる小艦隊が編成される事が多いが、単艦の場合もあった。初期の私掠船団は、編成される度に共同持株会社が立ち上げられ、国王や貴族などの有力者が出資者となった。

というわけで実際に政府から許可を得た傭兵船、海賊船がいたわけですね。

■私掠船っていつから始まったの?

さてこの私掠船ですが、世界史的はいつから始めたのでしょうね。
調べてみると1243年、英国ヘンリー3世の時代から記録があるようです。

イギリス(イングランド)の私掠船の始まりは、1243年にヘンリー3世がゲオフレイ船長に与えた報復を目的とした許可が初めてとされているが、国家が積極的に奨励したのはエリザベス1世治下の英西戦争の時のことである。

海軍力に劣るイングランドは、スペイン海軍と正面から戦うことを極力避け、代わりに私掠船を一種の準軍事組織として用い、表向き非正規の行動としてスペイン船を襲わせた。

中でもフランシス・ドレークの私掠船による世界周航やカディス襲撃は偉業と讃えられた。

アルマダの海戦に参加した200隻以上のイギリス艦船のうち、150-160隻は商船だったと言われる。

特に西インド諸島海域に遊弋するイギリス私掠船の活動は激しく、当時のイギリス船そのものが「海賊船」と評価されることになった[7]。

■私掠船は収穫の何割を政府に収めていたの?

ヨサクの説明でも収穫の一部を政府に収めることで許可を得ているとの説明がありました。
では実際はどうだったのでしょう。

私掠船の航海で得られた利益は、国庫・出資者・船長以下乗組員に所定の比率で分配された。

15-16世紀のイギリス私掠船の場合、国王が5分の1、海軍が10分の1を控除し、残りを3等分して船長(船主)、出資者、乗組員で分割した[11]。

国家や出資者にとっては私掠船はおおむね儲かる事業だった。

エリザベス1世フランシス・ドレークに私掠免許を与え投資した際の利益率は、6000%にのぼったという説もある。


時代が下り私掠の成果が低下し、乗組員の士気の低下を反映して国王や海軍の取り分は期待できなくなった。私掠が不成功の場合、乗組員は無給となり出資者に経費を返却しなければならない契約だったからである。

国王が20%、海軍が10%、つまり70%が自分たちのものになるということでしょうか。
半分くらい持ってかれると思いきや、これでお互いWin-Winだったのですね。

■アジアでは私掠船は存在したのか?

これが私掠船の定義と重なるかは定かではありませんが、お隣朝鮮半島での記録があるようです。
倭寇も気になりましたが、国家公認というわけでなかったので単なる海賊というカテゴリーでしょうか。

国家公認の海賊行為の例とされたのが、9世紀の新羅がある。

893年9月に新羅海賊が45艘で対馬を襲撃するも、文屋善友らの善戦により、賊302人殺害、多数兵器を獲得し、捕虜となった賢春の自白により、新羅国の不作で飢饉が発生し、国家財政の補充のため、王命を受けて襲来したとして、その規模、100艘2500人と記す(『日本三代実録』『扶桑略記』)。

三国史記』には、889年に慢性的に窮乏する国家財政の補充のために税賦の取り立てをきつくしたために、広く反乱が起こったと記述されており、国内の反乱を恐れて国外に手を出したとして、賢春の自白は虚言ではないとみられる[3]。

しかし、『扶桑略記』の「人々が飢えに苦しんでいるのに、新羅王は穀物絹などの徴収を命じたため、やむを得ず日本にやってきた」という部分の後代の研究者の誤読で、当時の朝廷でも対応を太宰府任せにしていて、新羅国相手の危機感や脅威はなかったと指摘している[4]。

海賊 - Wikipedia

というわけでこの新羅のケースが私掠船の定義に入れば、日本にも関わりのある(被害者側としてですが)私掠船でした。

■私掠船の有名人

これは他のサイトでもワンピースキャラのモデル、と言った形で特集されてますので詳細はお譲りします。

しかしこういった切り口で当時の時代背景や、人物の生い立ちを通じた社会環境を考えるのはとても楽しいと思います。
そして歴史を通じて現代社会にどうつながっているのかを考えることが一番大事ですかね。

そんな切り口で是非歴史の興味を広げていただければ幸いです。

フランシス・ドレーク
ウィリアム・キッド
・ヘンリー・モーガン
・ジャン・バール
・アマロ・ロドリゲス・フェリペ
・ロベール・シュルクーフ(英語版、フランス語版)
アレクサンダー・ハミルトン
ジョン・ポール・ジョーンズ
・ルネ・デュゲイ=トルーアン(英語版、フランス語版)
・クリストファー・レイモンド・ペリー - マシュー・ペリーの父親

私掠船、以上です!

■参考文献①今回のテーマを深掘り

■参考文献②筆者の基本セット

・『ONE PIECE公式漫画アプリ』
ONE PIECE公式漫画アプリ

・教科書、用語集、人物辞典他

■あとがき

いよいよナミ、アーロン編です。
最大でも1話で1エピソードにしたいのですが、1話で複数エピソードできそうで長くなりそうです。
でも戦闘モードになると歴史キーワードがなかなか出なくなるので、平均すると散るかもしれませんね。

ご覧いただきありがとうございました!受験勉強や教養の向上に活用いただければ幸いです。
その他関連シリーズもぜひご覧ください。
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